日本の伝統。ご先祖様に感謝して秋彼岸のお墓参り。｜仏花、御供ギフトは備前市 すずき花店へ | お花のギフトを通して備前市で人を繋げます

〇「お彼岸」言葉の由来はインドの仏教用語

「お彼岸」とは、「到彼岸（とうひがん）」という意味で、煩悩や迷いのある世界から悟りの開けた世界へ至ること、至るために行う修行のことを指します。

語源は、サンスクリット語で「paramita（波羅蜜多、パーラミタ）」という言葉だそうです。

「paramita（波羅蜜多、パーラミタ、はらみった）」とは仏教用語で、「彼岸（パーラム）」「至る（イタ）」の2つの意味をを持つ言葉です。

〇「彼岸」は川の向こうにあるとされるもの

仏教では元来、煩悩（ぼんのう）に満ちあふれるこの現世の世界を「此岸（しがん）」と呼びます。それに対して、悟りの境地である涅槃（ねはん）、あの世の世界を「彼岸（ひがん）」と呼びました。

「此岸」とは「こちら側の岸」という意味で、「彼岸」は「あちら側の岸」の意味です。こちらとあちら、双方の間には川が流れているのです。

川とは、すなわち生と死の世界を隔てる「三途の川（さんずのかわ）」のことです。

川は仏教にとってとても象徴的な場所で、生と死を分けるだけでなく、煩悩と悟り、俗世と来世を分けるものとされています。

〇極楽浄土は西の方角にあるとされるもの

お彼岸は西に向かって拝みます。

これは浄土宗による浄土思想が元になっていて、西の方角に極楽浄土があると考えられていたためです。

極楽浄土は、阿弥陀如来がつくられた仏国土、天国のようなところです。古くよりこの世を憂う人々は、西の方角に向かって、彼岸と呼ばれる極楽浄土に想いを馳せてきたのです。

〇「お彼岸」は毎年2回、春と秋にあります。春彼岸は、春分の日を中心として、前後3日を含めた合計7日間。秋彼岸は、秋分の日を中心として、前後3日を含めた合計7日間を指します。

令和４年、今年の秋のお彼岸は9月23日(金)「秋分（しゅうぶん）」を中日とした前後3日を含む合計7日間です。

秋分とは、太陽が秋分点を通過した瞬間を指します。暦の上では、その瞬間が属する日のことを「秋分の日」とします。

春分の日と同様に、秋分の日も太陽の動きに影響を受けるので、必ずしも日にちが毎年同じ日になるわけではありません。

日本では9月23日になることが多いのですが、まれに9月22日が秋分の日になる年もあります。2022年は9月23日が秋分の日です。

〇お彼岸はなぜ7日間もあるのでしょう？

「お彼岸」とは、「到彼岸（とうひがん）」という意味で、煩悩や迷いのある世界から悟りの開けた世界へ至ること、至るために行う修行のことを指すとご説明いたしました。

つまりお彼岸とは、仏教者たちの修行期間だったのです。

悟りの境地である彼岸にたどり着くために、迷いや煩悩を断ち切って悟りの境地に至るための修行がお彼岸に行われてきたのですが悟りの世界へ至るための修行とは、「波羅蜜多（パーラミタ、はらみった）」と呼ばれるものです。
波羅蜜多には「六波羅蜜」と「十波羅蜜」の2種類があるのですが、仏教の主要流派である大乗仏教では六波羅蜜が実践されています。

「六波羅蜜」とは、その名からも分かるように6つの項目に分かれた修行です。

お彼岸の7日間のうち、中日である春分の日と秋分の日はご先祖様を偲（しの）び、それ以外の6日はこの六波羅蜜を1日ひとつずつ修めるとされています。

だからお彼岸は7日間あるのです。

〇お彼岸の中日となる秋分の日は、日本の祝日です。

日本の法律「国民の祝日に関する法律」によって、次のように定義されています。

秋分の日とは「祖先を敬（うやま）い、亡くなった人々を偲（しの）ぶ。」ためのもの

日本人にとってこの時期はまさに稲刈りの最盛期。田んぼのあぜ道に咲く赤い彼岸花が、まさに秋のお彼岸のシンボルですよね。

古くより秋彼岸は農村での稲穂の収穫を喜び、ご先祖様に報告し感謝をすることも兼ねた風習として根付いています。

また秋分の日は、夏が終わり秋の到来を告げる日でもあります。

秋分の日は「お墓参りの日」でもあります

国の法律によって「ご先祖様を敬（うやま）い、亡くなった人々を偲（しの）ぶ。」と定められていることを受けて、秋分の日は2013年8月15日に一般財団法人日本記念日協会に「お墓参りの日」として認定されています。
記念日として世間一般への認知度はまだまだですが、風習としてお彼岸にお墓参りすることは古来より日本の伝統として根付いていますね。
皆さんも、お彼岸にはまずお墓参りをしてから、休暇を楽しんではいかがでしょうか。